たまたま日記

たまにしか書かないに日記         遊びをせんとやうまれけむ   戯れせんとや・・・・

神代植物公園

 神代のバラはいかなる案配だろうか ?
 いささか遠いので、車で行ってみた。




 今年は春が早かったためだろうか、もうバラはほぼお終いになっていた。盛りの頃の湧き上がるような百花繚乱は、枝を剪定されていささか寂し気、しかしまあ、少しは咲き残っていたので園内を巡ってみた。
 バラは花の中でも女王のような風情があると思う。(女王様を見たことがないけれど)、花が大きくて凛として気高そうに咲いている。本来なら1つづつ丁寧に見て歩けばよいものを、ついついカメラを向けて早足で通り抜けてしまう。う~む貧乏根性が抜けない。



 
 一つひとつの花も見ごたえがあるが、群生しているのもなかなかに見事だ。薄日の陽ざしに照り返るその塊は、いつまでも見ても見厭きない。なのだが、貧乏根性のなせるところによれば、そそくさと通り過ぎてしまって、返すがえすも残念なり。



 ステージから遥か温室方面を望めば、花の中に人々がそぞろ行きかっている。カメラなんぞ持たずにゆるゆると花を観賞している人もいる。大概の人がゆっくり歩を進めている中で、そそくさあたふた、なんでこうも落ち着きがないのだろうと我ながら大変困るのだ。



 大温室に入ってみる。狭い中にさまざま、珍しい花木がみっちり植えてあり、さながらジャングルのごとしで、空気がむっと淀んでいる。ウツボグサのような気色の悪いものもあるが、見たことがないような花をつけているのもある。
 そういう花の名前は無論おぼえないことにしてある。必死でおぼえても、一分で忘れる。ならその努力は潔く放棄するに如かず。それにしても、人の名前を、覚えるより先に瞬時に忘れる、ということは困ったことだ。失礼極まりない。



 ところで、話題になった「コンニャク芋のバカでかい花(ショクダイオオコンニャク)」は花期を終えて休んでいるらしい。あれは、何のためにあのようなトンデモな花をつけるのだろうか。ちょっと冗談も休みやすみ言ってもらいたいものだ。
 そのほか、ベコニア、ランのコーナーがあり、それぞれ、むせっけえるような花の狂乱だったが、バラに似てバラにあらずで、あまり興味がわかなかった。例の如く、いそいそそそくさ、通り過ぎてから睡蓮の池に行く。



 水連は、以前と同じようなところで、同じように咲いていた。水連が好きである。花が小さく万事控えめなのだが、その花は得も言われぬ色合いであり美しい。マネだったかモネだったか、この花の絵がある。あの絵は目を細めてみると、この花だと分かる。
 紫色の花がことのほか印象深い。楚々として、儚げ、しかし凛とした風情も垣間見える。ぼんやり見ていたら、じゃぼじゃぼ、水を漕いでおじさんが池のゴミを集めにきた。何気なく見ているけれど、どれだけの人の手でこの公園が整えられているか、ちょっと考えた。



 バラ園を出て園内をぶらぶらする。ボタンもシャクヤクもツツジも終わって、青葉ばっかりになっていたが、皐月の盆栽の展示会が目にも鮮やかに写る。そして芝生広場に行ったら、演奏会をやっていた。
 若い女性二人のバイオリン二重奏、どこぞの音楽大学の学生だろうかと思った。陽が照る中、200人近い聴衆が芝の上に座り込んで熱心に聞いていた。モーツアルト、アイネクライネナハトムジークが聞こえてきて、なにげなく立ち止まってしまった。


 
 帰途、蕎麦屋に立ち寄って昼飯。
 実に久方ぶりに旨い蕎麦を食った。
 たまにはこういう「観光」もいいかなと思った。

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