多摩たま日誌

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「一句一ブログはボケ抑え」・・・できるかな?

茎漬けの菜洗い集う湯の煙

多摩たま



 まだ氷が付いている野沢菜は大変うまい。


 昔、スキーに行って炬燵で食ったら、その旨さにびっくりした。いやあ、熱燗がすすむすすむ。この野沢菜を温泉の湯で洗っていたのをテレビで見た。普通は冷たい川の水などで洗うのだろうけれど、温泉はぬくぬくと湯気を上げ、楽しげであった。


 温泉に洗いに来ていたのは女衆で、近所の主婦かと思われる。ご多聞に漏れず大そうおしゃべりが弾んでいたが、不思議なことに手はちっとも休んでなどいない。さらさらと優雅に手を動かして、茎の根元などを洗っていたのが印象的だった。



 野沢菜も旨いが、高菜の漬物もどえりゃあ旨い。この葉っぱを広げて中に飯を入れ、くるくる巻いた「目はり寿司」という握り飯は、是非本物を食ってみたいと思い続けている。探せばあるのだろうが、どうもその辺のスーパーには転がっていないようだ。


 これらの菜っ葉は漬物専用のだろうか、他に野沢菜や高菜を使った食べ物を知らない。が知らないだけであるのかもしれない。AⅠさんの教えてくれたところでは、漬け菜に適したものは、野沢菜、高菜、すぐき菜、広島菜、大和真菜、大阪しろ菜、しゃくし菜、べか菜(山東菜)、仙台芭蕉菜、などだそうだ。随分あるものだと驚いた。



 古くなってしまった人間であるから漬物を好む。好むからと言って、おいそれと食えないのが現代の難しいところ。その辺のスーパーには、色だけ旨そうで、味はもう眼をそむけたくなる代物しか置いていない、ようだ。


 なにしろ漬物は手間と暇がかかる。よろず効率化の時代の間尺には到底合わない。だから薬のような液に野菜をぶっこんで、さあ、旨い漬物だ、と言ってもだれが信用するものか、食指はぴくりとも動かない。


 もう真っとうな漬け物はないのか、と言えばあるのだろうと思う。どこにあるか、それはその産地のそれぞれの家庭、又は高級漬物店にあるのだろう。いずれもひょいっと手に入れるのが難しい。文化は進むが、漬物と言うローカルは消えた。



 ああ、漬物よお前もか。




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