たまたま日記

たまにしか書かないに日記         遊びをせんとやうまれけむ   戯れせんとや・・・・

これでどうで消夏


 わが居室はサッシガラスの外がすぐさまベランダになっている。
 その狭いベランダに、ぼろきれと古い足ふきマットを敷いてみた。ぼろきれはその辺に転がっていたもので、マットは草で編んだ1cmほどの厚さである。なんでこんなガラクタをベランダに敷いたかと言えば、ここへ水を撒くんである。


 たしか小学生の頃、気化熱というのを習った記憶がある。それによれば、ビールだって冷えるぐらいの優れもの、と聞いたように思う。それを思い出して、あちちちの灼熱ベランダを冷えひえにして、その涼しい風を部屋に入れようという魂胆なのだ。


 さて、その魂胆通りに物事は運ぶのだろうか? 
 トイレを空流しにして、手桶に水をためた。手桶の水をそろりそろりと運んできて、マットの上に流し、ぼろきれも水浸しにした。満を持して涼しくなったかどうか、顔を出してみる。ん! む! う~む、何も変わらんような、涼しさは感知できんゾ!




 なんということでしょうか? わが苦心の素晴らしき思いつきは、なんら効果を発揮せず。だいたいこの気化熱というやつはどうも信用できない。ほんとうにこんな装置でものが冷えるのだろうかと思わせ、いまいち信用できないのである。


 以前、ビール瓶にびしょ濡れにした新聞紙を幾重も巻き付けて陽ざしにかざしてみた。結果、冷えひえのビールが完成したかと言えば、なんだかフスぼけたような、少しは冷えたような、ちっとも冷えないような、そういう按排であった。


 ほんらいなら、これですっかり懲りて二度とこんなバカなことはしない筈なのだが、根がバカなのでまた同じことを繰り返して、ぶつぶつ文句を言っている。誰に対して文句を言えばいいのか分からなかったので、とりあえず自分に言っておいた。 




 それにしても、わが気化熱装置がこのていらくでは、日盛りのとき安心していられない。知らない間に茹あがってしまうかも知れない。仕方がないから、日盛りのとき、この気化熱方式は見なかったことにして、すぐさまクーラーをかけることにした。


 さすがにクーラーである。気化熱方式の何だか分からんフスぼけ冷えとはわけが違う。ヒヤヒヤと冷えていく。そこでこの中に入ったまま、うがごう~と、大いびきをかきながら昼寝をする。夏の昼下がりの昼寝はことのほか気持ちがいい。


 しかし、クーラー以外に夏を涼しく過ごす方法はないのか? 何もクーラーのように空気を無理やり冷やさなくても、感覚として涼しければそれでいい。そこで、冷たい水をやたらに飲む⇒腹を壊す。ビールをがんがん⇒肝臓壊れる。・・・う~む。では、熱いお茶か熱くて辛いカレーを頂き、汗をだらだら、しかる後風で冷える。・・・これがよさそうだな。


・・・ん、これも気化熱かあ!!

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