肴は梅一粒
6月ころ、おばばがつけた梅漬けが、旨くなってきた。
暑い日が多いので、頻繁に食する。どこかを歩いてきた日は、いささか疲れているので必ず食う。実に旨いと思う。また焼酎のロックを啜りながら、これを一箸ひとはし舐めるのは実によろしいかと思う。
今年の梅の実は、上等品なのかどうか知らないけれど、皮が薄く漬け込んだのちに破れてしまったものも多い。(去年のは皮を破ろうとしても、なかなかホネだった)。皮が破れて失敗かと思ったが、味は大変に良い。
もちろん梅漬けだから塩ょっぱいし酸っぱい。高血圧の身には至って良くないような気がするものの、なに、毎日食うわけでもないし、汗をかいたら塩分が必要だとも聞く。3日に一粒ぐらいは、どうだろう、許してもらえるのではないか?
テレビを見ていると、あれはダメだのこれをシロだの極めてうるさい。それを一つひとつ聞いて厳守する気などさらさらない。もう十分に爺いだから、やりたいようにやらせてもらいたい。がしかし、おばばはうるさい。
気のせいか、はたまた騙されているのか、疲労回復に梅漬けないし梅干しは抜群の効果ありと思っている。これは紫蘇ジュースも同様だから、紫蘇の成分が効果を表すのかもしれない。ともあれ、こういうことはテレビではあまり言わないようだ。
昔の人が言い伝えてきたことを、「ふるくさい」の一言で片づけてきたのはどうだろうかと思う時がある。昔の人間は迷信ばかり、科学を知らない、てなことでバカにしてきた傾向が無いだろうか。な~~に昔も今もよく見れば一つも変わりはしない。
西洋由来の合理性などを持ち出して昔を思うのは間違っている。早い話、伊能忠敬の偉業をお前ができるのかと言われれば、グウもなくお手上げなのだから、決して威張ってはなるまい。江戸時代も今も人は変わらない。
ともあれ、酒は飲み過ぎぬよう、梅漬けは食い過ぎないよう
心して両方を味わねばなるまいかと思う。
健康だけがいいものだとは、誰が思うのだろうか。