たまたま日記

たまにしか書かないに日記         遊びをせんとやうまれけむ   戯れせんとや・・・・

青梅裏山さんぽ道

    (https://blog.goo.ne.jp/tarinko1213/e/7d98c76713a2c7b7f383a5c2e415b45bより拝借しました)     



 青梅の街の裏側に「青梅丘陵ハイキングコース」がある。
 これを「青梅裏山さんぽ道」と勝手に名付たい。というのは、青梅駅からのコースの半分ほどは、道幅も広く平坦であり、大げさに「ハイキング」というほどではない、と思うからだ。ただし、後半部になるとそれなりのアップダウンがある。


 ズルして、この平坦で易しい部分だけを歩こうと思う(軍畑駅へつながる全コースを一度歩き、ヒーヒーだった)。青梅駅の裏に回って、いささか急な坂を登ると、尾根の上に鉄道公園。蒸気機関車が数量展示されているのだが、時間が早く、まだ門扉は閉ざされていた。フェンスの隙間から機関車の写真を一枚写して、さあ、裏山のさんぽ道へ。



 道幅は2mぐらい、あまつさえ、凸凹ではあるが舗装までしてある。空は晴れているが陽ざしが樹木に遮られてなんとなく寒い。休日だからハイカーが意外と多い。少し先のところを、一見80歳代かと思われるお婆さんが二人、杖を突きながらゆるゆると歩いている。
 行き違う人もそれなりの高齢者。熟年のご夫婦、独りで歩くお爺さん、若い人はまあ見かけないが、たまに出会う人は、この道を走っていたりする。このコースは、年寄りがゆっくりと、無理なく自然の中を歩けるし、街と繋がる道も多いから慣れない人も安心。

 



 舗装が終わって土の道になったが、相変わらず平らで歩きやすい。木の間から、手の届きそうなところに青梅の街が見える。周りの山はまだ緑が色濃く、11月末ごろにならないと紅葉しないらしい。ただその紅葉も錦秋には程遠いのだけれど。



 道の脇に神社の屋根が見えたので立ち寄ってみる。金毘羅神社の額が掲げてあるが説明板も何もないから、由緒などは不明。しかし神社に必要なものは、地元の人の信仰心だけであって、観光客に対する説明ではないのだからこれでいい。



 少し行くと石仏が見えたから、また覗いてみる。優しい顔の、これは観音像だろうか。道路の脇から街を見下ろしている。この石像がたった一つ、ぽつんと立っているだけだから、どういう意味合いがあるのか、やっぱり不明。



 だいぶ歩いて、第3休憩所まで来た。道脇の瘤のように出っ張った上に休憩所がある。登ってみると誰もいなかったので、これ幸いベンチで一服する。東屋もつくられていて、立派な休憩所だ。足下に散り敷いた葉がきれいだなとしみじみ眺める。



 のんびり休憩していたら、後続の軍団がやってきた。中高年男女5,6名がにぎやかに登ってきて、ほかのベンチに腰を据えた。ベンチの数は十分あるのだから、そのままいてもよかったのだが、なぜかそそくさと切り上げて出発することにした。
 道は少し狭くなったが、相変わらず平坦で快適。少し色づいたモミジ(楓かな? 赤いのを何でもモミジだと思っている)なども見え、気分は上々、ルンルンで歩いていく。周りの、ほんのちょっとした加減で気分は簡単に上がったり下がったり、取り留めない。

  



 しばらくして「石神前・日向和田」の標識が現れ、左に道が分岐。石神前まで行こうと思っていたので、素直に左へ入る。柔らかな土の道がほんの少しずつ下っている。ここまでは何の問題もなかったのだが、ここから奇妙な展開になるなど、誰が想像しただろう。
 以前来たときは確か「矢倉台」というところを通ったよなあ、と思い出してしまった。どうもこの先に矢倉台なんてものはなさそうな雰囲気である。分岐を間違えたかな、と思っていると、向こうから40歳代のご夫婦がやってきた。


 「この先に矢倉台はありますか?」と聞くと、しばらく考えてご主人が言った。「ああそういえば、標識に矢倉台への分岐表示があったですよ。この少し先」。ありがとうと言って歩き出し、でもなかなか標識が見つからないナ、と思っていると件のご主人が戻ってきた。
 「僕たちも矢倉台に行ってみたいので戻ってきました。分岐はこの先です」と言って、とっとことっとこ山道を走るように歩いていく。とても一緒には歩けない。せっかく教えてくれるんだから、と必死で後を追う。
 その標識まで来たとき、奥さんも戻って来た。確かに矢倉台と書いてある。が、道はなかなかの上り道に見える。若ければドってことない登りだろうけれど、なんていったってよぼよぼなのだから、二人に先へ行ってもらい、よろよろと登り始めた。


 ところが奥さんの方が、この爺さんを心配して時々立ち止まり、ここからは少し楽ですよ、などと声さえかけてくれる。恐縮であるけれど、情けないことに少し上っちゃ休み、休んじゃあ登りでとても付いていけない。
 若い人が心配して親切にしてくれる! 今まであまりなかったことだ。心配してくれる親切はとてもありがたく、感謝するのだが、・・・もう一つ、わが心理としてはなんだか情けなか気分でごわす! ああ!ついにそうなってしまったか!・・・的な。


 矢倉台はその近くだった。これも道脇に瘤みたいに突き出した高みの上に、東屋がありそこでおやつを食べ、ご夫婦に丁寧にお礼を述べて、そこから下って、先ほどの緩い土の道に出て、そして再び先ほどひーひー言いながら登った分岐の標識まで戻った。



 石神前へ下る道の最後の部分がこれまた結構な勾配で、左足のくるぶしがしっかりと痛み出した。これは、我が宿痾と言っていいかもしれない。いつのころからか、登ったり下ったり、特に下りの時に痛み出すのだ。棒切れの杖を突きながら、青梅の宿場街を歩く羽目に。
 民家の脇にきれいなモミジを見つけた。色づいたモミジを見ることがあまりないので貴重な一本、あちらからこちらから写して、ゆっくり眺める。モミジがしかるべく色づくのはこれからなのだろう。



 多摩川近くまで下って行って、「日向和田臨川庭園」という小さな公園に入る。庭のモミジはまだ青い。庭の隅のテーブルで昼飯。靴を脱いで裸足になり、痛めたくるぶしを揉んだりして見たが、痛みが治まるだろうか。



 そこから青梅の街中を散策して帰ろうと思っていたが、くるぶしが痛くてどうにもならない。諦めて青梅街道を直に駅へ行こうと思う。こんなに痛むのは初めて、もはやいよいよ歩けなくなるのか、と情けない思いが頭に浮かぶ。






 結局この日歩いたのは、16㎞。
 帰宅後、2日ほど湿布して痛みは治まった。
 それにしても、情けないことになったなあ!!

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