たまたま日記

たまにしか書かないに日記         遊びをせんとやうまれけむ   戯れせんとや・・・・

春寂しき残日

 横浜の親類から、読み終えた本を時々送ってくる。
 ごく軽いエッセイやマンガ本の類。暇だから面白がって読んでいる。




 その中の2冊のマンガ本を読んで、う~~む、と考え込んでしまった。それは、


まず一冊目
①『妻は他人』 さわぐちけいすけ(株式会社・KADOKAWA)
 ・・・お互い職業を持つ若い夫婦、子供なし。二人の生活に必要な経費はお互いに拠出す
   る、ばかりでなく、食事も自分が好きなものを自分で作って、それぞれ好きな時
   に一人で食す。ときに冷蔵庫のじゃが芋一個などを貸し借りする。同じ屋根の下に住
   んでいて、お互いに他人。ぶっ魂消たのは・・・夫婦喧嘩全くなしだと!!
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 う~む、時代はここまで来たか! まあ、生活費をお互いに拠出するなどはありそうだな、と思うけれど、食事別々、冷蔵庫からじゃが芋1個を借りる、あたりで、う~~むを3回ほど唸ってしまった。なによりもかによりも、夫婦げんかを全くしない、に至っては驚天動地、太陽系を逆に回ったほどの衝撃。
 たそがれ爺いの世代は、夫婦げんかあたりまえ~、茶わんや皿がぶんぶん飛び交って、部屋の中はひっちゃかめっちゃか、と、ここまでいかないにしろ、夫婦なんだからお互い言いたいことは言い、腹が立ったら怒鳴り合いもし、これが当たり前だと思っていた。
 う~~む、もしかすると、それは大間違いのこんこんチキだったのだろうか。我が家だけが、夫婦げんかあたりまえ~だったのか? それとも時代がぐわらりと進化して、いまじゃ喧嘩しないが当たり前なのか。もう頭がこんぐらかってないがなんだか??



二冊目は
②『妻が口をきいてくれません』 野原広子(株式会社・集英社)
・・・ちっちゃな子二人がいる若い夫婦。ある日突然妻が口をきいてくれなくなった。なに
   を言っても無視。夫は、自分の何が悪かったのだろうと悩み、つとめて明るく振舞っ
   たり、妻の家事を手伝ってみたり、必死の努力をするものの全く効果なし。それが1
   年2年3年と続き、夫は最早ノイローゼ気味。その状態が6年続き、夫は決断する。も
   う離婚するしかないと。
   一方、妻の方からすると子育ての怒忙しい中で、夫の言葉・態度の端々が、いらッ、
   いらッと引っかかる。このいらッ、いらッを我慢に我慢していると、だんだんと夫の
   何もかもが嫌いになってくる。こんなはずじゃなかった! そうして妻もノイローゼ
   気味になり、口をきくのを止めた。
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 う~む、夫の悩み懊悩はよくわかる気がする。夫は自分の何が悪かったのかとんとわからないから、日に日にイライラが募り、ここを先途と悩むしかない。それでも6年間もよく我慢したよなあ、十分我慢したのじゃないだろうか。
 一方、妻の方のいらッ、いらッは、悪いと思うけれど、なかなか男には察しがつかないのじゃないだろうか。とは言え、、妻の方のいらッ、いらッを読んでいると、そうなんだろうなあ、といちいち胸に突き刺ってホントに痛い。
 たそがれ爺いが当時を思い起こせば、こんなことをひとったれも考えなかったどころの騒ぎじゃない。子育てをしり目に飲んだくれて遊びまわって、自ら顧みなかった。いま、この漫画を読んで、なんという罪深いことをしてしまったのか、とちらっと思う。よくもまあ、放り出されなかったものだと、つくづく思うことしきり。




 まあ、マンガだから、どこまでほんとのことか、誇張や強調などもあるのかもしれないけれど、一つ言えることは、いまの時代であったなら自分などは、時を置かず即刻ぶん出されたことは火を見るより明らか。いまの時代の夫たちは超、超、超、みんなやさしい。
(実はあの当時も、こんなとんでもない奴は、自分だけだったかもしれないが)時代というか、社会の風潮というか、それがすっかり変わってしまったことを大いに自覚させられた思いがする。世の中は変わったのだ。いつまでも同じじゃ埒が明かない。
 そして思うのは、世の中変わったのだから、古い世の住人、自分などは、すべからく黙して余計なことは口にしないようにしなくちゃいけない。口を開けばおそらく、いまの人たちがあきれ返って卒倒するようなことを、ちっとも気付かず平気で口にするだろうから。





 たそがれ爺さんが今頃気付いて反省してみたところでどうなるもんじゃない。
 けれど、これはまあ、黙々と反省しつつ残された日々を、
 おとなしく過ごそうかナ。

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