たまたま日記

たまにしか書かないに日記         遊びをせんとやうまれけむ   戯れせんとや・・・・

梅雨の合間に



 鬱陶しい梅雨空が、いつまでも続いてうっとうしい。


 それでも、ときどき思い出したように晴れて、この時期にしては爽やかな風が通り過ぎることがある。そんな日に、狭苦しいサンデッキに座り込んで、ぼうおう~~として、何気なくこれまた狭苦しい家の周りの土に、植えた覚えがない赤い花が咲いているのを見た。


 家の周り、ほんのわずかな空間がむき出しの土のままだから、雑草は喜んでわあわあ生えるけれど、知らぬ間に知らぬ花の種が飛んできて思わぬ花を見ることもある。全く自然は、隙あらば! と虎視眈々、ちょっとの隙間にも、無理くりと入り込んでくる。




 それを蛇蝎の如く嫌って、土の上に分厚いシートを被せて覆い、後はぬくぬくと草取りをしないで済まそうとする家も多い。まあ、雑草ぐらいは、と思ってそのままにほって置いたのだけれど、だんだんと草抜きが面倒かつ疲れる仕事となった。


 それで我が家もひそみに倣い、土にシートをおっ被せて後は知らん顔の半兵衛を決め込む時期なのかなあ、と思い始めている。そうすれば、炎天下に汗をだらだらしながら、鬼のような陽ざしに立ち眩みながら、何度も草取りをしなくても済むだろうと思う。




 しかし、と、また考える。シートで覆えば雑草は確かに生えずらいだろうけれど、思いがけない花もまた見られなくなる。そうして、なにも生えない家の周りは、なんだか物足りないような、気が抜けたような、どこか寂しいような、そんな気がするのではあるまいか。


 田舎に一人住むおばあちゃんが、毎日日課のように家の周りの畑に出向き、雑草を取ったり、苗を植えたり、全くお金のためではない日々の手入れをしている姿を、よくテレビなどで見る。日々の暮らしに必要のない毎日の手入れ仕事、それを毎日黙々と行っている。


 それを見ると、たかが家の周りのほんのわずかな隙間の、雑草を抜くぐらいの手間は、屁でも何でもないことに思えてくる。翻って、もちろん畑仕事もできず、雑草抜きもせず、毎日々々ただひたすらに、ごろちゃらごろちゃらひっくり返って過ごすのがいいのだろうか?



 と、まあ、梅雨中の、恐ろしく何もすることのない日々の煩悶!

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