たまたま日記

たまにしか書かないに日記         遊びをせんとやうまれけむ   戯れせんとや・・・・

秩父ジオ・駆け巡り


 秩父はなんだか面白そうだ、と夏の終わりに駆け巡って、その後すっかり忘れていた。





 秩父のどこが面白いだんべえか? 観音様もいいかしんないけど、地質的に面白いらしいらしい。長瀞には埼玉県立自然の博物館があって、庭先にぐにゃぐにゃにひん曲がった岩などがごろりと置いてあったりする。むろん中にもいろいろな岩が展示してある。
 詳しいことは知らないけれど、なんでも太平洋の海底が静々と近づいてきて、日本の下に潜り込む際に、置土産として「付加体」なるものをくっ付けた。その際いろんな地層が大喧嘩して、秩父あたりで珍しい地層が露頭しているのだという。


 
 タモリさんと違って地質学の知識は露の一滴ほどもないけれど、そういう摩訶不思議なものが、ちょっと車で走れば見られるならば、今生の見納めかどうか知らないが見ておこうと思う。まあ、そんなものを見て、ふ~~んなどと感心してみたい。



 というようなわけで、最初はどおう~っんと甌穴。直径は1.2m、深さは1.5mぐらいありそう。これはまあ、付加体なんやらとは関係がないのだろうけれど河原の岩の上にぽっかりと口を開けていれば、なんだか不気味でもあり、また不都合なほど大きい気がする。
 長瀞岩畳のちょっと上流、民家の裏側に入っての川岸の岩。傍には甌穴よりむしろ、なにやら難し気な岩の説明板があったが、無論のことチンプンでカンプン。説明されている岩よりも、説明されていない甌穴にぶっ魂消てしまったから分からない。




 さらに上流へ行って、お次は「蛇紋岩」だそうだ。”だそうだ”たあ、無責任な! と言われても、じっくり見たけれどどこが蛇紋なんだかこれっぽっちも分からず、ま、これがそうじゃあんめえか、ということで2,3枚。





 上流に向かう途中で、大好きな蕎麦屋「はしばそば」の前を通ったが、本日は定休日。食えないとなると、あの山盛りのきんぴらと、つるつる喉越しの盛蕎麦が食いたくてたまらない。う~~む、休むなよなあ、ってのは無理か。


 


 お次は、秩父市と皆野町の境目当たりの、荒川の川岸にどんっ! と控えしは「不整合」。不整合たあナンだ? 上の地層と下の地層の間にとんでもない時間が経過しているという、どうもそう言う地層らしい。



 この下の黒いのは1億5千万年前のもの、上の白っぽいのは千五百万年前のものとのこと。なんとまあ、1億4千万年の隔たりが仲良く添い寝している。とはいっても、どっちにしたって想像の域を超えていて、なんだかバカにされているような気もする。
 千五百万年前さえあまりにも遠すぎるのに、1億5千万年前と来た日にゃあ、何が何だか分からない。そんなバカげた物差しは持ってない。ちなみに下の黒い方はジュラ紀の地層だそうだ。そういえば、誰かがジュラ紀、白亜紀、八代亜紀って言ってたなあ。




  赤平川を溯っていく途中にいくつかジオスポットがある。まずは、しゃれた温泉旅館の裏側に「取方の大露頭」。向こう岸の絶壁が海底堆積のくっきりした縞模様地層となっている。そのスケールの大きさ! ま、圧倒さるわな。
 これらの地層は、1800万年前ごろ秩父が「古秩父湾」の海底だった時代に堆積したのだ、なんて言われてもなあ、おいそれと信じられないゾ。だいたい山ん中の秩父が海の底だったなんちゅう話はとんでもねえこんだ。オラをバカだと思ってバカにすんじゃねえ。



 


 と思ったら、次がまたまた堆積地層の「ようばけ」なんだもんなあ! 木が茂っていて堆積層がよく見えないけれど、確かに縞模様は確認できる。こうしてみると海の底に堆積したのだ、ということも信じざるを得ないか?
 分かったよ、しぶしぶ信じるよ。信じなければ、太平洋の海底地層が秩父に付加体となって引っ付いた、という理屈が成り立たない。そっちを信じるならば、こっちだって信じなければ怪しからんと言われそうだ。




 


 遠路はるばるというほどでもないが、小鹿野町へ入る。「犬木の不整合」というのがある。さっきの不整合と同じようなものだろうが、一応見ておくこととした。山間の小盆地に静かにたたずむ街並みを抜けて、299号を志賀坂峠方面へ。
 赤平川の河原に降りて行くと巨大な岩が立ちはだかる。説明板があるから辛うじてわかるようなものだが、一見変哲もない絶壁。やはり下に黒い地層、上に白い地層。しかしその脇は断層が食い込んだものだそうだ。






 もはや夕暮れが迫ってきた。最後に一つ、近くの山の中にある「観音院」へ行きたい。なんでも秩父盆地の最下層部の地層であって、石英や長石の砂岩からなっており、どういうわけかそこに観音堂やら石仏やらが祀ってあるそうだ。しかし山の上が最下層の地層なんて、ほんまに秩父はびっくりしますわ。




 日本一の石の仁王像だという仁王門から石の階段をだいぶ上る。息が切れるんだよなあ。夕方のことで他にだ~れもいない。樹木におおわれて薄暗いし気分爽快とは参らぬ。登り切ったあたりが少し開けて、なるほどいろいろある。
 



 この山一帯が堆積砂岩であるらしい。31番の札所になっている由だが、そちらの関係についてはあまり興味がない。一渡りぐるっと見まわし、ほかに見るべきものもないから山を下った。観音堂に詰めていた係の人も帰り支度。
 





 さてこれにて秩父ジオ・駆け巡りを大団円にして帰ろうと思う。帰り道の途中の山にびっしりとお地蔵さんが並んでいた。あまりの数におっ魂消てしまい、思わず停車してしまった。こういうこととというのは、どういうことなのか分からない。
 ともあれ、秩父は観音様だけでなくいろいろと奥が深いらしい。ジオ巡りはまだ巡り残した場所もあり、も少し勉強して・・・いや勉強はしないな、正直に言って、興味が残って機会があればまた来てみようと思う。果たしていつのことやら!




 チャオ!
 孤独なヤギさん。

×

非ログインユーザーとして返信する