たまたま日記

たまにしか書かないに日記         遊びをせんとやうまれけむ   戯れせんとや・・・・

移ろいの季節



 天気はいいし、あまりにも空が青いので散歩に行く。
 とは言っても、予報は日中30℃近くまで上がるらしいから、ゆめゆめ油断はできない。でもまあ、そん時はどこかの木陰で昼寝でもすればいいや、と取りあえず羽村の玉川上水堰まで、土手道をぶらぶらと歩く予定。


 土手道に出ると、午前のまだ優しい陽が背中から照り付ける。雲がないすっからかんの空だから日差しは強いが、夏とは違って鬼のような熱風は影を潜め、爽やかに感じる。土手脇の草むらは野の花が大きく育って葎のように絡まりあっている。
 目立つのは、葛の葉の緑、そしてセイタカアワダチソウの鮮やかな黄色の穂、どこにでも生えているアイノコセンダングサ(だろうと思う)などなど。ススキの白い穂も目立ってきたなあ。



 上流遥かに目をやれば、河原の木の濃い緑と多摩川の青い水の流れが、くっきりと目に映る。空に薄い雲の断片がのんびりと浮かんでいる。土手の上では時折散歩の人と行違い、または追い抜かれる。そのたびにマスクをかけたり外したり。



 河川敷の公園をいくつか通るので、そのたびに一服した。木陰で爺さんや婆さんが涼んでいるし、若い人がわっせわっせとウォーキングしているし、ときおりサイクリストが走り去っていく。コスモスが柔らかく風に揺れていた。



 そうして羽村の堰に到着。サイクリストや散歩の人が4,5人休んでいる。東屋の日陰で靴を放り投げ、靴下を剥ぎ取って裸足になるととても気持ちがいい。コンビニでカバンに放り込んだ握り飯を引き出して齧る。隣のオヤジさんは鶏肉弁当をはぐはぐ掻き込んでいた。
 なぜか堰は木で作られていて、それで水を堰き止めている。真ん中あたりのコンクリートの堤に人が憩っている。遥か奥多摩の山並が重なり合ってその上の白い千切れ雲が流されていく。水音が周りを包む。ゆるい風がうっすらかいた汗をたちまち乾かしていく。



 ゆっくり休憩した後、人道橋を歩いて対岸に渡った。舌状台地の尾根のこちら側にわずかな家が集落をなしている。集落の裏の低い尾根を越えれば町が広がっているのだろう。多摩川の川っぷちの、車の通らない、人も見かけない道を歩いていると、なぜか知らないが幸福感に包まれた。
 とてもいい気分だ。昔ながらの僅かの家々、背後の緑の尾根、整地された道端の畑、誰もいない道。風がそよそよ吹いて、陽が朗らかに照る昼下がり、人の影を見かけない淡々と続く道を一人歩いている。いいなあ!



 舌状台地が多摩川に落ち込む先端を、ぐるっと回りこんで反対側の秋川を目指す。台地上には古い家並みが続くが、ひょいと下を覗くと、どう見ても河川敷だろうが、と思われる低地に新しい家がびっしり並んでいた。う~~む、これはしたり!



 台地から川辺へ降りて行くと、合流してきた平井川の岸辺に出る。きれいに草刈りされた河川敷の土手を行くと、体育の授業中の小学校のグランドがあり、そして河川敷の草野球場が並んでいる。野球場の芝生がまだ青々としている。
 そして、もう一度対岸に渡り返す橋の傍まで来た。この橋を渡れば、もう帰ったも同然である。河原にススキが目立つが、その中で金色の花のようなものが穂の間から出てる一株が、とても珍しかった。



 暑さはそれほどに感じなかった。
 風が涼しくなっているためだと思う。
 途中でスマホがおかしくなり、電源OFしたので正確ではないが、
 どうも20㎞ぐらいは歩いたようだ。

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