たまたま日記

たまにしか書かないに日記         遊びをせんとやうまれけむ   戯れせんとや・・・・

朝は涼しい



 台風が来てそれが、ほんにゃら低気圧に変わり、青い空が広がった。
 朝の空気は何やらひんやりとして、しかし日中の陽ざしは辟易するほどの強さで、ならば朝の涼しいうちに動けばいい。とは思うものの、朝寝坊のぐうたらなので起きるのがせいぜい7時、でもまあしかし、まだひんやりしているから、土手道を歩く。


 土手道は、歩く人、走る人、自転車の人、寝ころぶ人(ウソです)、休日ともなれば案外と多い。橋の向こうに、多摩の山並みが青いベールをまとってくっきりと空を画している。あの山並みの向こうは、さらに山、その向こうもさらに山、どこまで行っても山。「分け入っても分け入っても青い山」そのまんま。





 土手の草地には、秋らしい花が見られる。これはアレチハナガサというのだそうだが、朝の斜めの陽を受けて、花の先端が紫に光って見える。花はごく小さく、2,3mmぐらいだろうか、だから我が下手っぴカメラでは、よう写らへん。
 野の花は、ちっこいのが多いように思う。このちっこいのを、改良に改良を重ね、花を騙しだましして、大きな花の園芸種ができたのだろうと思う。人間はほんとにろくでもないことをする。しかしそうしないと、花も見栄えがしないから仕方ないか。




 小さなお婆さんが、脇からひょいと土手に登ってきて、少し前を歩き始めた。まっすぐ前を見て、ゆっくりと歩いている。自然に追い抜く感じになったが、ほとんどの人に追い抜かれるので、お婆さんと言えど追い抜くのは気持ちがいい。
 以前は1時間4㎞の割合だったのに、いまじゃ3㎞、下手すると2㎞ぐらいに落ちてしまった。まあ、仕方ないかと潔く諦めていたのだが、たまたま追い抜いてみると、えも言われずいい気持だ。何の自慢にもならないけれど。





 多摩川は今日も青い水をせかせかと流し続けている。もっと鷹揚にゆったり流れろよ、と思う行けれど、決してそうしない。昼も夜も、せかせかちまちま、休みなしに流れている。そうしてこの水は、もう二度と再び戻ってこないのだな、と思う。




 ちょっとした広場のベンチで一服する。水を飲め、とうるさく言われているので、一口すする。ふと土手道を見ると、なんとあの小さいお婆さんが歩いていくではないか。追い抜いたなどと、ふんぞり返るほど大きな顔をしたけれど、いくらも離していなかった。
 お婆さんは休みもせず、同じ調子でまっすぐ前を向いて歩いていく。むむむう! わが強敵現る、急がず慌てず、休まず止まらず、一貫して同じ調子で、唯我独尊、周りを気にする気配みじんもない。年取ったらこうでなくちゃあなあ。





 ぶう~~んという爆音に空を仰いでみたら、モーターパラグライダーが一機、実に気持ちよさそうに川の上を舞っていた。上流から下流へ、そしてまた上流へぶ~んと飛んでいく。どんな景色が見えうのだろう、いいなあ、爽やかそうだなあ。
 もっと若いときにこういう遊びがあったなら、是が非でもなんとしてもやってみたい。とは思うものの、いまじゃあ、屋根に上っただけで恐怖に足がすくむ。若かったとしてもできたかどうだか、知れたもんじゃないナ。




 
 帰り道、生き生きと咲いているアジサイを見た。
 アジサイというのはへんてこりんなものだ。
 まず、時期を考えないないナ、今頃おめおめと咲いて恥をいらないナ、
 そして、何よりも規矩がないナ。

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