だいぶ涼しく、いや寒くなったので、土手道さんぽを切り替えた。
朝の散歩を止めて、一日を費やしてさんぽすることにしたのだ。堤防の上を歩いていると様々な人が様々に運動している。走る人、歩く人が大部分だが、写真はたぶん太極拳らしいけれど、そういう運動をする人も見かける。
田を打つことも畑を耕すこともしなくなった代わりに、現代人は、必死こいて何か運動をしなければならなくなった。いいことなのか、いくないことなのか分からないが、田んぼや畑をどうにかしろったって、どうにもできる相談ではないから、せいぜい運動である。
今年は、やたら暑い夏がこれでもか! と続いて、あれっ! と思ったらなんだか寒くなっていた。例年と比べりゃそんなに気温が低いわけではないのだろうが、猛暑の35℃から25℃ぐらいになると、これは涼しいより寒いと感じる。
無暗に暑い夏が長く続き、今度はやたら寒い冬が到来するのだろうか? オンダンカは化学反応を急激化するそうだから、暑い寒いが極端になるのかもしれない。地獄のように暑い夏と鬼のように寒い冬だけあって、ちょうどいい、按配のいい季節がなくなるのかなあ。
ぶらぶら歩いてい入ると、やっぱり目を向けるのは花々、ヒガンバナが目立つけれど、時期的にはちょっと遅いような気がする。夏の象徴、朝顔が大きな顔でまだ元気よく咲いているのも奇怪な感じだ。まあ、仲良くやってくれ。
いつでも思うことなのだが、道っぱたの花や草の名前を知っていて、多少なりともその特徴を知っていれば、どんなに楽しいだろうと思う。不幸なことに、これがまるっきり分からないし覚えようとしてみたけれど、おおきに無駄だった。やるせない。
草花に対してそのようにあほだから昆虫やら小鳥なんぞと来た日にゃもう全くバンザイ状態である。田舎に生まれて田舎で育ったのだから、もうちょっと何とかなっていそうなものだが、どうにもこうにもならなかった。どうしてだろう。
もうこれは、どうにもならんと諦めるしかないと思っているが、しか~し、世のなかには、努力してどうにかしちゃう人がいるから恐ろしい。そういう人から見れば、単なるナマケモノにしか見えないだろうが、よく考えてみれば真実怠け者だった。
こんな風にして8㎞ぐらい歩いて、玉川上水の羽村取水堰にたどり着いた。どういうわけか、ここでは自転車の人がしばしば休憩している。土手沿いの他の河川敷公園などではあまり見かけないのだが、ここでは派手な衣装の自転車の人が休んでいることが多い。
堰の下流で釣りをしている人がいる。なにが釣れるんだろう? この季節だったら、落ち鮎かなあ。簗場を見ていると次から次、鮎が落ちてくるから、釣りでもごってり取れるんだろうか? そう言えばここ数年、鮎食ってないなあ。
ここでひっくり返って、あきる野台地のはっしこを辿る。多摩川に落ち込む台地の裾に古くからの民家が台地の丘陵を背にして並んでいる。ここを通るたび、どこか遠くの、田舎を歩いている錯覚に陥る。民家と丘陵と畑がそういう雰囲気を醸し出している。
一面、花で埋め尽くされた畑があった。ピンクの花と、奥の青と白は桔梗の花。なんだか、休耕田にするに忍びず、という感じだが、それにしてはこの看板は? と思った。まあなんでもいいけれど、きれいな花を見られてよかった。
こんな按配で、一日かかってのさんぽ。
だから、約16㎞。
久しぶりで疲れたけれど、やっぱりさんぽは楽しかったね。